【経済産業省選定】グローバルニッチトップ企業から学ぶ市場を勝ち抜く方法

経済産業省は2020年に、グローバルニッチトップ企業100選を選定しました。

https://www.kanto.meti.go.jp/annai/hodo/data/20200630gnt100_press.pdf
(経済産業省:2020 年版「グローバルニッチトップ企業 100 選」を選定しました)

前回の実施が2013年だったため、7年ぶりに選定が時実施されています。

グローバルニッチトップ企業とは、世界市場のニッチ(狭い)分野で勝ち抜いている企業や、
国際情勢の変化の中で素材等の事業を有する優良な企業 が対象に経済産業省が選定した企業を指します。

今回、日本企業が新たにグローバルニッチトップを目指す企業における経営上の
羅針盤として活用してほしいという想いが実施の背景にはあるとのことです。

この記事を通して、

  • 新しい分野・領域・市場に挑戦していく際必要なことが読み取れる
  • 新型コロナウィルス等の影響があったとしても安定した会社の特性について知る事ができる

グローバルニッチトップ企業とは何か、
また経済産業省から選出されることによる影響について解説していきます。

■目次
①グローバルニッチトップ企業の選定基準
②選定企業の特徴
③グローバルニッチトップ企業がとるべき戦略とは
④最後に

①グローバルニッチトップ企業の選定基準
今回の選定では、

  1. 世界シェアと利益の両立
  2. 技術の独自性と自立性
  3. サプライチェーン(製品の原材料・部品の調達から販売に至るまでの一連の流れ)上の重要性

以上3点以外にも、収益性・戦略性・競争優位性・国際性も着目した上で、
外部有識者で構成する選定評価委員会の審議を経て選定されているとの事でした。

簡単にまとめると市場規模が小さい中で

  • 世界規模でトップシェアを獲得している
  • 他の会社・国には模倣できない独自な技術がある
  • がっちり儲かっている

この点がかなり重要であったと推測されます。

②選定企業の特徴
選定された企業の特徴について解説していきます。

■世界市場で確固たる地位を築き、しっかり儲かっていること
今回選定された企業は平均で世界市場シェア 43.4%、営業利益率 12.7%、海外売上⽐率 45.0%という優秀な企業群となっています。
多少のことでは需要がなくなる事はなく、また軸足が比較的海外によっている事がわかります。
今後製造業界で新規事業開拓する際は、海外でも勝てるものという事が非常に重要になっています。

■成長率の高いニッチ市場で展開している
選定企業から各企業が提供している製品・サービスの現在の市場規模と、5〜10年後に予想される市場規模について聴取した結果、
平均して市場規模は2.21倍の成⻑率が想定されると回答があったとのことでした。

選定企業は現在だけでなく、未来についてもニッチではあるが市場拡大が見込める領域で展開している企業が多い事がわかります。

ただ電気・電⼦部⾨の予想は1.16倍にとどまっているとのことでした。
これは、電気・電⼦部⾨においては、製品・サービスのライフサイクルが短く、
市場のニーズが急速に変化していくとの予想を反映している可能性が高いとのことでした。

反して高い成長率で想定されるんは消費財部門が多く平均3.4倍と回答しており、
個人や家庭で使う製品の市場が拡大していく可能性が高いという事が推測されます。

③グローバルニッチトップ企業がとるべき戦略とは
選定企業に取るべき選択について聴取したところ、

  • コア技術を活⽤した他分野への進出
  • 新規顧客との取引拡⼤

以上2点の回答が多かったとの事でした。

0から1を生み出すではなく、すでに製造業を展開している会社については、
既存事業をうまく生かして違う分野・顧客に対して価値提供できる方法を探していくことと、

納品先のリスク分散を徹底し、顧客に経営を左右されない事業構造を構築する事が重要であることがわかります。

④最後に
いかがだったでしょうか?

グローバルニッチ戦略は、世界経済の不確実性が高まり、少子高齢化が進む昨今の情勢の中で、
安定した収益を確保していくために有効な戦略のひとつです。

モノづくり大国である日本の製造企業は、その高い技術力を活かすべき分野を適切に見極めることで、
国内市場が縮小していく中でも収益を確保できる体制の構築につながります。

ファースト化成品工業では、創業約20年が経過しますが有難いことに既存顧客から安定して発注を頂いております。

しかし今後の世の中の不確実性の高まりも見据えて新たな製造への挑戦というところも念頭に置きながら、
顧客企業だけでなく、社員・その家族の幸せの実現に向け取り組んで参ります。

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